DBMFL第24回は映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の作画監督 新谷直大さんにインタビュー!
2018/08/19 09:00

今回ご登場いただくのは、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の作画監督とキャラクターデザインを務める新谷直大さん。
公開されるやいなや話題となった「如意棒を持った悟空」のティザーポスターのビジュアルでもおなじみの新谷さんは、意外にも今回の映画が『ドラゴンボール』初参戦!
『ドラゴンボール』の映画シリーズに新たな風を吹き込んだ新谷さんに、制作現場の様子や作画に込めた思いをたっぷりと語っていただきました。

新谷直大
しんたになおひろ
TVアニメ『ONE PIECE』や映画『プリキュアオールスターズNewStage3』など、数多くの東映アニメーション作品の作画を務める。
映画『ドラゴンボール超 ブロリー』では、作画監督とキャラクターデザインに抜擢された。

初めて描く『ドラゴンボール』は新鮮!

ーー『ドラゴンボール』との出会いを教えてください

小学生の頃からTVアニメを観ていました。漫画よりもアニメの方から先に入ったと思います。まわりのみんなも『ドラゴンボール』が大好きでしたね。映画も兄と一緒に毎年、映画館まで観に行っていました。

ーー今回の映画で作画監督をやることになったきっかけは?

オーディションで何人かの描いたキャラクターデザインを鳥山先生が見て、僕に決まったんです。
鳥山先生が一番重要視している悟空とベジータ、ブルマを描きましたね。東映アニメーションにいながら『ドラゴンボール』は1回も描いたことがなかったんですよ。今回初めて描いたので、すごく新鮮でしたね。
鳥山先生の女性キャラは難しい!?

ーーキャラクターを描くうえで、自分なりにこだわった点は?

昔と今では鳥山先生の絵が変わってきているので、どのあたりの絵にすればいいのかという判断が難しかったですね。鳥山先生はもう今の絵しか描かないと思うので、自分は今の鳥山先生の絵を描くように意識しました。

ーー実際にキャラクターデザインを進める中で、鳥山先生から修正が入ることがあったのでしょうか?

清書段階で鳥山先生から修正が入ることもありました。悟空は印象が良かったようで、修正はありませんでしたね。女性キャラはけっこう描き直しました。体のラインとか顔とか、修正していただきました。『ドラゴンボール』は女性キャラの数が少ないので、鳥山先生は女性キャラにあまりこだわりがないイメージがあったので意外でした。





新谷さんがアニメ用に描いた悟空の設定画。鳥山先生から修正が入らなかったというお墨付きだ。

ーーキャラクターデザインは具体的にどのような作業をされていたのでしょうか

去年の10月くらいからラフをあげて、OKになれば清書をしていきました。枚数も結構あったと思いますね。それぞれのキャラクターの表情も描くので、枚数がどんどん増えていくんですよ。悟空だけでもノーマルバージョンと超サイヤ人と、レッドになったりブルーになったりしますからね。
鳥山先生のデザインを元に、アニメ用に描き直すのですが、すべて「これでいいのかな?」と思いながらやっていました。まだ『ドラゴンボール』の絵に慣れていなかったので、山室さんのデザインの流れや表情を参考にもしました。過去の映画も観なおしましたね。人によってセル編の頃が好きだという人がいますし、フリーザ編の頃が一番だという人もいるので、どのあたりのデザインにするのかというのは難しい判断なんですよ。僕はTVアニメ『ドラゴンボール』の作画監督をやっていた前田実さんのデザインが好きなので、柔らかいタッチや表情など、前田さんのようなニュアンスが出せればいいなぁと思いながら描きました。
ポスタービジュアル誕生秘話

ーーティザーポスターのビジュアルはどのようにして決まったのですか?
ティザーポスターは2017年2月頃に描きました。宣伝チームが考えたレイアウトと僕が描いた案の5~6枚を合わせて、15枚くらいある中から決まりました。ちょっと恥ずかしいんですけど、如意棒を持たせたのは僕の奥さんのアイデアなんです。『ドラゴンボール』が好きで、「如意棒を持たせたら?」って言われて。昔、小さい頃の悟飯が如意棒を持っている扉絵があって、そんな感じのイメージで提案したんだと思います。確かに大きくなった悟空が如意棒を持って立っているのはインパクトがあるし、原点回帰という意味でも良いですよね。実際に描いてみたら、みんなが喜んでくれました(笑)。かめはめ波を撃つ構図や立ちポーズの悟空は、山ほど描かれていて出尽くしていたというのもありますしね。


ティザーポスターの「如意棒を持って立つ悟空」。新谷さんの描く悟空が初めて世に出た瞬間だ。

ーー作画監督は、作画のみなさんの絵柄のチェックもするんですよね?

そうですね。今回はTVアニメ『ドラゴンボール超』から引き続きの映画だったので、『ドラゴンボール超』で作画を担当していた上手なスタッフさんたちがいっぱいいて頼もしいです。総作画監督の辻美也子さんや井手武生さん、アニメーターの高橋優也さんがそのままパート作画監督に入ってくれているので、かなり豪華ですよ。『ドラゴンボール超』でも高橋さんの回は話題になっていたので、ファンの期待に応えて今回も高橋さんの絵をできるだけ生かすつもりです。長峯さん(監督の長峯達也さん)が結構自由にやらせてくれて、描き手にゆだねてくれるので、やっていて楽しいですね。みんなの個性が光ればいいなぁと思っています。
新しいブロリーを好きになってほしい

ーー鳥山先生のプロットを読まれた感想をお聞かせください

「ブロリーが出るんだ、懐かしいなぁ!」と同時に、ブロリーの映画というと反響が大きいだろうなとプレッシャーもありましたね。今回は鳥山先生が新しく描いたブロリーがあるので、それをまず新しいファンのみなさんに定着させたいです。昔のブロリーとは設定も変わっているので、昔のブロリーのイメージが強い人たちには、昔を懐かしみつつ今のブロリーも好きになってもらいたいと考えています。最初は違和感があるかもしれませんが、長峯監督が楽しめるように考えてくれているので、きっと大丈夫ですよ。

ーーブロリーの作画で気をつけたことはありますか?

今まであまり筋肉バキバキのアニメをやってきていないので、難しかったですね。鳥山先生も昔と比べてあまり筋肉を全面に出したくないようなので、鳥山先生らしいスマートな筋肉の感じを出せるように気をつけました。





新谷さんの描く“新しい”ブロリー。過去作のはちきれんばかりの筋肉と比べると、細マッチョな雰囲気になっている。
アクションも日常シーンも全力!

ーーアクションシーンではどんなところにこだわりましたか?

日常の時はあまり影をつけず、闘うモードになった時に影をつけて筋肉もハッキリ見せる、というふうに、メリハリをつけてカッコいい印象になるようにしました。同じ影の付け方をしちゃうと見せたい部分の印象が弱くなってしまうので、「ここからはバトルだ!」ということをビジュアルでもわかりやすくしています。『ドラゴンボール』はアクションがカッコよくないとみんな満足できないと思うので、アクションが得意な作画スタッフが上手く作り上げてくれています。僕は「カッコいいなぁ」と思いながらチェックしています(笑)。今回は日常のシーンも結構多いので、そういうキャラクター性が出るところを僕が丁寧に描いて、アクションは「好きにやっていいよ」という感じですね。鳥山先生のギャグの部分も丁寧に描いています。みんなが笑ってくれるといいんですけど(笑)。

ーー最後に映画『ドラゴンボール超 ブロリー』への意気込みをお聞かせください

長峯さんが興行収入100億を目指しているので、なるべくその力になれるように頑張りたいと思います! 目標は高いほうがいいですから(笑)。

©バードスタジオ/集英社
©「2018ドラゴンボール超」製作委員会