『ドラゴンボール超 ブロリー』Blu-ray&DVD発売記念!林田プロデューサーが今だから言える制作秘話を語り尽くす!
2019/06/07 18:00
『ドラゴンボール超 ブロリー』Blu-ray&DVDの発売を祝して、林田プロデューサーにBlu-ray&DVDならではの見どころを教えていただいた。三浦大知さんとの驚きのエピソードや制作秘話も飛び出すなど、本邦初公開の情報が満載! 繰り返し『ドラゴンボール超 ブロリー』が観たくなる、作品愛がいっぱいのインタビューになりました。


映画『ドラゴンボール超 ブロリー』プロデューサー
林田師博
はやしだのりひろ

TVアニメ『ドラゴンボール改』魔人ブウ編、映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』のプロデューサーを歴任。

――劇場で公開された映画とBlu-ray&DVDで違いはありますか?

今回はあえて変えてないです。すべてにおいてスタッフみんなが納得している作品になりましたから。
シーンによってキャラクターのビジュアルが異なって見えるという意見を頂戴することもあるのですが、パートを担当する原画マンから受け取る各々のカットの完成度があまりにも高く、作画監督があまり細かく手を入れてしまうと、元々持っている画の良さがどんどん削がれ、動画になった時の勢いまで殺してしまう危険性があったので、今回は手描きならではの持ち味を最大限活かす方向性にしています。おかげですごく勢いのある作品になったと思っています。Blu-ray&DVDで何度も観てほしいですね。

――主題歌を歌う、アーティストの三浦大知さんとはどんなやりとりがあったのでしょうか?

主題歌について最初に打ち合わせをしたときに、てっきり三浦大知さんのマネージャーさんやスタッフのみなさんが来るのかと思ったら、いきなりご本人が登場したんです。三浦さんの作品を手掛けているNao’ymtさんもいっしょで、皆さんビシッと決まった服装だったので、「もっとちゃんとした格好で来れば良かった!」と後悔しましたね(笑)。その時はまだ映像がなかったので事前にシナリオをお渡ししていたんですが、打ち合わせの場で直接、三浦さんから矢継ぎ早の質問を受けました。頂いた質問がポイントを突いたものばかりで驚きました。シナリオをしっかりと読み込んでくださっていて、それを曲に昇華させようという気持ちがものすごく伝わってきましたね。曲作りに対する想いがすごいんです。おかげ様で最高の楽曲になりました。MVの再生数も2400万回を超えていて、名実ともに三浦さんの代表曲になったと思います。ネットにアップされているコメントを見ると、多くの人が「映画にピッタリだった」という意見を書いてくれているんですよ。最近の映画の主題歌は作品の内容と直結していないものも多いんですけど、今回の楽曲は歌詞をご覧になればわかると思いますが、映画のストーリーを三浦さんなりに解釈して書いた歌詞となっています。そこがファンに伝わって本当に良かったです。実は当初スケジュール的な問題で、作詞は難しいかもというお話だったんです。でも、私としてはどうしても諦めきれなかったので、何度かお願いして、お引き受けしていただいくことができました。最初の打ち合わせでの三浦さんの印象は、今でも忘れられないですね。三浦さんは曲作りに向き合う姿勢もそうですが、とにかく人となりが素晴らしいんです。

――プロデューサーが主題歌のアーティストを決めたのでしょうか?

はい。今回はプロデューサーの私が選んで決めました。本作の製作が決定した際、「海外市場を念頭に置いた作品創り」というお題をいただき、主題歌アーティスト選びもそれを意識しました。いの一番に思いついたのが三浦大知さんなんです。歌唱力はもちろん、ダンスの実力もワールドクラスで、今回の作品との相乗効果が最も出せるアーティストだと確信していました。主題歌はエンディングだけに使われる事も多いんですけど、今回は本編内にも大幅にアレンジしたインスト曲も使われています。一度観ただけでは気づかないかたもいるかもしれません。ぜひ、Blu-ray&DVDでチェックしてみてください。
今回は『ドラゴンボール超』として初めての映画で、主題歌もこれまでとはまた違った、新しいファン層にもアプローチできる曲になったと思います。海外でローカライズすると現地の別のアーティストや他の曲が使われてしまったりすることがあるんですけど、今回は日本以外は全世界共通で三浦さん歌唱による英語バージョンの「Blizzard」が使用されています。ネットには、海外ファンによる好評価のコメントが本当にたくさんあがっていて、まさに「してやったり」の気分ですね。

――『ドラゴンボール超 ブロリー』では作画監督の新谷直大さんのキャラクターデザインも大好評でした。

新谷さんの能力を見抜いた鳥山先生はすごいですよね。オーディションで選ばれてからの新谷さんの成長ぶりは凄まじかったです。新谷さんの絵に鳥山先生が直接修正指示を入れてくださったのですが、新谷さんも何とか期待に応えようと必死にやってくれました。どんどん上手くなっていく過程を間近で見ることができ、とても頼もしかったです。
鳥山先生くらいの天才には僕らには見抜けないなにかを見抜く力があるんだと思います。「この人ならやれるんじゃないか」という、原石を見つけてくださいました。ご指導頂いた鳥山先生や集英社さんには本当に感謝しています。

――『ドラゴンボール超 ブロリー』は音楽の評価も高いですね。

今回は音楽の住友(紀人)さんが本当に頑張ってくれましたからね。監督からの「GOブロリー!って声を入れたい」というオーダーも、快く引き受けてくださいました。住友さんはどんな無理難題でも、やりきってしまうかたです。「GOブロリー!」などの掛け声系のBGMは、最初聞き間違いかと思った人が多かったようですが、何度も聞いているうちにどんどん癖になってきて、「GOブロリー!」って叫びたい気持ちになるみたいですね。応援上映でもみんな「GOブロリー!」って叫んでいて、ものすごく盛り上がっていましたからね。大成功だったと思います。
バーダックとギネとの別れのシーンの曲も良かったですね。英語版で悟空の声優をやっているショーン・シュメルさんが予告のシーンを観て、「あの音楽は誰が作ったんだ、最高じゃないか!」って、大絶賛していましたからね。製作スタッフから住友さんに「映画の中に2つの山がある」、「バーダックとの別れのシーンと、最後のバトルはどうしても盛り上げたい」とお願いしました。とにかく別れのシーンは最高に泣ける、最後のバトルは最高にかっこいい音楽を作って欲しいという依頼をしたんです。『ドラゴンボール』を知らない人でもあの短い映像でぐっと気持ちが持っていかれるBGMになっているので、本当に素晴らしいと思いましたね。バーダックとギネの別れのシーンは、映画館で泣いているファンもいましたから。音楽の力は偉大です。Blu-ray&DVDでもぜひ、音楽に耳を傾けてほしいですね。

バーダックとギネとの別れのシーン

――エンディングの映像はどのようにして作られたのでしょうか?

当初「エンディングに映像はいらない」という意見もあったんですけど、本編が終わったらお客さんが席を立ってしまうのは寂しいじゃないですか。監督の意向を聞いて、主要キャラのキメポーズ集をギリギリのタイミングで作ってもらったんです。『ONE PIECE FILM Z』のオープニングを観てもわかるように、長峯監督は音に合わせて絵を作るのがすごく上手なので、良いものができるという確信はありました。いいエンディングになったと思います。

エンディング

――では、Blu-ray&DVDで注目して観て欲しい部分を教えてください。

やはり、最後のゴジータとブロリーのバトルですね。ラストのラスト、かめはめ波を撃つまでの流れは強烈だと思います。こんなに素晴らしいバトルシーンは、他のスタジオでは絶対にできないと、胸を張って言えます。それだけすごい作画になっているので、何度観ても飽きないと思います。最後のかめはめ波を撃つ前後のバトルシーンは音楽も素晴らしいですよね。住友さんが悩みに悩んで一番最後に作った曲なんですけど、マーベルの『ブラックパンサー』のBGMからインスピレーションを得たそうです。ご自身も今回一番よくできたと思うとおっしゃっていたくらい、めちゃくちゃかっこいい曲です。バトル演出や作画はもちろんですけど、BGMやエンディングの曲も意識して聴きながら観てほしいですね。
最後の悟空のアップのカットは、鳥山先生に直接修正していただき、野沢雅子さんもお気に入りのカットなので、何度も繰り返し味わってほしいです。

ゴジータ

ブロリー笑顔

――最後にBlu-ray&DVDを購入された方にメッセージをお願いします。

今回、自分の人生において、初めて納得のいく仕事というのができた気がします。長峯監督や新谷さん、そしてその他すべてのスタッフも同じ気持ちじゃないでしょうか。丸3年位かかりましたけど、これ以上ないくらい充実した時間でしたね。その証拠にBlu-ray&DVD化に際して、リテイクを一切していませんから。これが僕らの完成形だというものが収録されているので、作り手の想いも含めて、じっくりと観ていただけるとうれしいです。

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林田プロデューサーいち推しのシーンや音楽に注目して、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の世界をより深く楽しもう!

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